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民法、消費者保護法上の問題(雨金祭)

アメックスゴールド祭り。もう、あれですね。旬すぎましたかね。怒り収まりましたかね。急速に関心が失われてるような気もします。

一時は新着ブログの殆どがアメックスの話題だったのに、今ではあまり見かけることもありません。

 

っていうよりも、アメックスからは一方的にメールが送られただけなので、打つ手がないというのが現実ですね。

 

そもそも基本的にこのページは、もう諦めて、ハピタスでポイントを貯めようよ!

 日々の生活にhappyをプラスする|ハピタス 

 というスタンスです。

 

でも沈静化すると騒ぎたくなる天邪鬼なところがあるのと、メール一本でゲームセットも悔しいので、6万ポイント上限組の皆様のために、更にしつこく民法上の問題を検討したいと思います。

 

アメックスの想定される主張

アメックスがしてくるであろう主張は、

「公共料金によるポイント付与は、景品類の一環であり、当社の独自の判断によりポイント付与しないことも可能である。さらに、キャンペーンを途中で中止することもありうることは申し込みページにも記載してある。」

だと思われます。

  

おいおい、ホントかよ!ってことで、突然のキャンペーンの中止が許されるかを考えてみたいと思います。

 確かに、キャンペーンにはこちらの記載があります。

※本ページに掲載のすべての特典およびサービスの内容、利用条件につきましては、予告なく変更または中止させていただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。

今は消えていますが、キャンペーンページに記載があったこの記載を元にアメックスはキャンペーン中止の正当性を主張して来ると思います。 

①一方的に中止できるこの契約自体は問題でないか?

消費者保護法において、たとえ規約等において記載してあったとしても、一方的に企業側から消費者に対して不利な契約は禁止されています。

民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

そして、その内容として具体的に

・事業者に契約内容の一方的変更権限を与える条項

 が上げられています。これは、立場の弱い消費者を保護する目的です。それを考えると、この一方的に企業側からキャンペーンを打ち切る事ができると言う項目は、たとえ申し込み時に同意していたとしても、この法律に抵触するな可能性が高いです。

それでは、この条項は無効であると主張して、ポイント付与を求めることは可能でしょうか?

残念ながら答えはNoです。この消費者保護法や景品表示法は消費者保護を目的として作られいます。

例えば、「プロ野球チケットをあげると言われて新聞を契約したのに、実は二軍戦のチケットだった」と言う場合、「新聞の契約を取りやめたい」と言う事はできますが「1軍戦のチケットをよこせ」と言う主張をこの法律をもとにすることができないと思われます。あくまでも消費者保護のための法律なので、契約解除ができるにとどまります

もし1軍戦チケットを要求するのであれば、民法上の権利で、「新聞と1軍チケットがセットの契約でその対価を払ったので、1軍チケットを渡さないのは債務不履行だ」との主張する必要があります。

 

この事例と同様、アメックスに対して、「一方的な中止は消費者保護の視点から鑑みて問題がある!」という主張をするならば、ゴールは「クレジットカード契約の取消」にとどまってしまうと思われます。有料のANAアメックスや、デルタアメックスを作ってしまった人は、この主張をする意味がありますが、アメックスゴールドにはあまり意味がない主張ですよね。

流石にアメックスも、有料のカードについては、一方的な変更は問題があると思ってか、年会費無しで解除できるようですもんね。

 なお、同じように「景品表示法の有利誤認ではないか!」という主張でも、少なくともポイント付与がされない9日以降に契約した場合は、「ポイントが貰えると勘違いして契約させて」ということで、契約解除は有効ですが、「有利だと誤認させた内容を履行しろ!」というところまでは、さすが関連法律は面倒を見てくれません。

なお、9月9日以前の契約者に対しては、「ポイント付与をしない決定をメール送信する直前に決まった。それ以前はするつもりだった」とアメックスが主張すれば、有利誤認にすらならないと考えられます。

 

②予告なく中止しても過去の申し込みまで、効力は及ばないのではないか?

※本ページに掲載のすべての特典およびサービスの内容、利用条件につきましては、予告なく変更または中止させていただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。

この記載は、通常「10月31日までの申し込みが対象となっているキャンペーンが予定より早く終了する」、もしくは、「途中で公共料金付与キャンペーンが終了する場合」などに有効になる項目だと読めます。

 

具体的には、例えば6月1日に急遽設定された上限設定。当初上限なしのキャンペーンが6月30日までの申し込みは有効なはずでしたが、突然変更となりましたよね。

これこそが、「本ページに掲載の利用条件の予告ない変更」に該当するのではないでしょうか?

すなわち「明日申し込もうと思ったのに!」という苦情に対しては有効な文言ですよね。

 

しかし、申し込みをされた後に、やっぱあのキャンペーンやめた!というのは、許されるのでしょうか?

このキャンペーンは、あくまでも紹介ページに記載にあっただけだと認識しています。

この文言だけでは、すでに双方の合意(カードの申込と発行)によって生じている契約行為にまで遡って、契約内容の一部を無効に出来るものではないと思われます。

 

と言うのも、経産省の企業ポイントに関する消費者保護のガイドライン

http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g81112b04j.pdf

によると、

 

発行企業は、消費者のポイ ントプログラム加入に際し、こうした利用条件の事後的変更の可能性のある内 容や、その際の告知の方法を約款や説明書面等に明記するとともに、加入後の 条件変更に際しては、事前に消費者に告知を行うことが望ましい。

とあります。

 

当然、利用条件の変更にはポイント付与率の減少も入っており、今回の付与対象の変更や取りやめはまさしくこちらに該当します。このガイドラインでは、そう言った消費者に不利な変更をするのならば事前に、しっかりと明記して告知することが望ましいと有りますので、「申込数によってはすでに申し込まれたキャンペーンでも早期に終了することもあります。」などとはっきりと知らせておく必要があります。

まさしく、「突然付与をやーめた」とすることは許されないはずのガイドラインです。

③ポイントはオマケなのか?

結局今回付与されるポイントはオマケなのかそうでないかという議論に戻ってしまいます。というのも上記より、契約内容の一方的な変更は許されませんが、おまけの内容の一方的な変更は許される可能性が高いからです。

例えば、類似の事例として、ジャルパックで利用できるポイントが「企業側に権利がある景品」なのか「消費者側に権利がある電子マネー的なもの」なのかが争われた興味深い裁判例がこちらに掲載されています。

http://hyogo-c-net.com/pdf/jaljoukoku_08.pdf

「企業側は景品っていうけど、消費者はすでにその利益を期待して商品選択をしているのでポイントはおまけじゃなくて購入商品の一部です!」と拍手喝采の主張をNPOがしていますが、残念!裁判では敗訴しています。

 

なお、下記に確定した判決文があります。
http://hyogo-c-net.com/pdf/110607_jaltours(2).pdf
判決理由としては、「利用後にキャンセルしてもクーポンは返さない」という特約は有効だよ。しかもそれはジャルツアーじゃなくてJALに言えよ!ということ。
もう一つ、「キャンセルしたらJALが不当利得を得るっていうけど、小切手同様の現金債権とは違うただのクーポンじゃん」ということ。
以上の2点で構成されているようです。

ポイントが電子マネー的なものかどうかについて、判断はされていませんが、JAL利用クーポンは短期の期限の定めがあることがあることや、現金化できず用途が限定されていることが小切手に類似する金銭債権とは違うと判示しています。
そうすると期限の定めがなくて、使い道が色々とあるアメックスリワードポイントではJALのポイントよりも多少は金銭債権に近いような気もします。

 

今回のキャンペーン。もし初年度年会費無料を途中で撤回するならば明らかにガイドラインにも消費者保護の観点からも違反となると思われます。

 そこで、「年会費無料は値引きかも知れないが、ポイント付与についてはおまけである」という主張をする可能性が高いです。

ヨドバシカメラでは10%のポイント還元しています。例えば、ネット通販で買った後に、「実はポイント付与やめることにしました。オマケだから補填しません」と言われたら怒りますよね。ヨドバシのポイントをオマケだと思っている人はいませんよね。事実ヨドバシのポイントはオマケではなく値引きと見られています。したがって景品表示法の適用もありません。

このように「ポイントだからオマケだと」という主張は成り立ちません。また電子マネーのようにポイントではあるが、金銭と同じような価値があるものも存在しますし、アメックスのポイントはこの電子マネーに交換することも可能なポイントです。したがってアメックスのポイント自体がオマケなのか、金銭的なものの性質なのかは個別に検討する必要があろうと思います。

 

ただ、公共料金によるポイント付与は景品かというのは前回論じました。

mairu-de-hawaii.hatenablog.jp

 このように、「もはやオマケの域を超えている対価なので、ポイント付与も契約の一部だ」と主張することは十分に可能だと思います。

 

結局アメックスに法的に主張するには?

今回アメックス側に主張するとすれば、

①アメックス側から景品の域を超えるポイント付与をするという条件提示があったため申し込みをして、アメックス側はそれを了承してカードが発行された。

②アメックス側はすでに6月に上限設定を行ったように、消費者側が、U-NEXTなどでもポイント付与が行われている状況を知り得ていたにも関わらず、特段ポイント付与を途中でやめるという明示はしていなかった。

③公共料金のポイント付与は、景品表示法上の景品の域を超えるものであり、只のオマケではなく重要な契約内容の一部であると認識しており、これがきっかけで請求をアメックスに変更したものも多い。

④一方的にポイント付与を中止するという発表があったが、これは契約内容の一方的な変更であり、当方はその変更に同意できない。

⑤当初契約は、当方が公共料金の支払いをするごとに、ポイントを贈与するという契約であるのだから、当初の契約通り、ポイント贈与を行うことを求める。

 

自分ならこういった理論展開にすると思います。ただ、この主張はポイントに上限が定められた後に申し込んだ人限定になると思います。

自分は5月組のため、この展開はできません。

もし5月組がこの主張をしたら、アメックスとしては、「U-NEXTやnetlixでも公共料金を付与した行為は錯誤に基づくもの」と主張し、すでにした付与も無効にする言い出しかねないからです。

たいして6月以降組には、U-NEXTやNetflixでの支払いも明確に認めた上で、㉚回という上限を定めたため、上記の主張ができるのです。

 

自分は、法律の専門家ではありませんので、あくまでも私見ということでご了承ください。

 

なお、これはあくまでも法的な責任を検討しています。ただ、消費者対企業の場合、道義的な責任を追求するほうがうまくいくケースが多いと思いますので、あくまでも参考程度にご覧ください。

 

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