子連れトラベラーの陸マイル情報局(JGC・SFCを目指して)

子連れトラベラーが、陸マイルを稼ぎ、子どもを連れて特典航空券で世界を旅したいページ

もしも半沢直樹がクレカ会社に出向したら!

会議室

「ばかやろー!「できません」ですんだら目標なんていらねーだろ!」会議室に怒号が鳴り響いた。社長の大和田が吠えたのだ。

ここは、都内にある「(株)東京クレジットサービス」の会議室。半沢が出向している会社だ。

半沢は月に一度の憂鬱な会議に出席している。とは言っても半沢には席が与えられているわけではなく、後方においてある椅子に座っているだけである。

先ほどから「店頭キャンペーン部隊」の目標達成率が98%との報告が上がっている。クレジット業界が混とんとする中で売り上げが伸び悩んでいることもあり、社長の大和田の機嫌はすこぶる悪い。

 

外資系スーパーとの契約ですが、手数料の引き下げを求められており、このままでは独占契約の継続が難しく・・・・」報告途中にもかかわらず大和田が叫ぶ。

「何としても契約は継続しろ、手数料は今のままでだ!何とかしろ!」報告していた店舗開発部は、真っ青になって退席した。

「全く相変わらず、ろくでもない話ばかりだ!もっといい話はないのか!」会議室に張りつめた空気が流れる中、半沢が所属する販促部部長の「岸川」が手を上げた。岸川は半沢の上司であるが、半沢とは反りが合わない。

「販促部より、新規顧客獲得のための新キャンペーンの提案です。電気やガス、電話などの公共料金1請求につき2000ポイントを付与します。公共料金は継続的に発生し、とりはぐれるリスクも0です。このキャンペーンは当社の利益に大きく貢献します。また顧客にとっても新たな買い物を伴わず、支払方法を切り替えるだけでポイントが付与される非常にメリットが大きなキャンペーンです。」

珍しく大和田社長が満足げな顔をしていると、「景品表示法の扱いで問題がある!」と声を荒げた者がいた。

カスタマーサービス部の浅野部長だ。会員のサポートと既存会員向けのキャンペーンを行っている責任者だが、岸川とは犬猿の仲だ。

「以前当部が企画したキャンペーンにおいて、ネット通販1店舗で5000円以上利用ごとに2000ポイント付与のキャンペーンを企画した際にケチをつけたのは君たちじゃないか!それとは、どう違うんだね!!」唾を飛ばしながら怒鳴り散らした。

そう、景品表示法により景品の価額は利用額の20%までと決まっており、無制限にばらまくことはできない。半年前にそのことを指摘して、カスタマーサービス部のキャンペーンを中止させ、結局5000円の利用につき1000円のキャッシュバックするというものに変更させたのは、まさしく我が部の指摘によってである。

当時、社長以下が出席する会議でそれを指摘された浅野部長は得意げな顔で岸川部長を見下した。

しかし動じるばかりか、待ってましたとばかり、岸川部長が答えた。

「全く問題ございません。前回カスタマーサービス部が企画したのは一度の買い物に対して付与するポイントが上限の20%を超えていたからです。今回我々が企画しているのは公共料金に対してです。たしかに公共料金は一度の料金で言えば金額は多くありません。しかし、少なくとも数年の継続的な利用が見込まれます。その場合、総額に対しての20%まで景品を付与できるため、今回のポイント付与は問題ないとの解釈が可能です。」

「なるほど」大和田支社長がうなずいた。「確かに公共料金は、一度替えればそうそう替えるものではない。考えたではないか岸川君、他に何か問題はないのか?」

求められてないにも関わらず半沢は口を開いた「一つリスクがあるとすれば、金額が定まっていないものに対するキャンペーンでは、上限が1500円と定められておりますが、今回の2000ポイントはこれを超える可能性が・・・・・」

「おい!」岸川が止めた。「その辺はきっちりと弁護士に確認いたします。」岸川が答えるが、半沢は怯まずに続けた。「過大なポイントが積みあがると定められた引当金を計上する必要があり・・・・・」

岸川は不快感で一杯になりながら言った「おい半沢!できない理由を考えろなんて言ってない!やるんだよ!」「いや失礼しました。すべて問題ありません。なお、当社のポイントは1ポイント0.3円を基本としておりますので、寧ろキャッシュバックよりは有利なキャンペーンとなっております。」とキャッシュバックキャンペーンを実施した浅野部長を横目に大和田社長に対しては言った。

大和田支社長は天井を見上げ何かを計算したようだが、すぐに言った。「よし、行こう!ただしリーガルチェックは忘れるなよ」

会議が終わった。

 

暴走の始まり

「決まっちまったよ」半沢は席に戻ると、たまたま打ち合わせで販促部に来ていた渡真利に言った。渡真利はカスタマーサービス部門、部門長同士は犬猿の仲だが、渡真利とは年齢が同じということもあり、何でも話せる仲だ。渡真利は言った「そうらしいな、システム部門は大騒ぎだってよ。なんでも既存のポイントシステムを改修して自動的に付与するシステムをこれから構築するらしい。」

「そうなんだよ」突然システム部の近藤が後ろから割って入る。近藤も半沢や渡真利と同い年のシステム屋だ。

「確かにこれまでも、うちのシステムは航空会社からの請求や、旅行会社からの請求を判別して付与ポイントを変えたりするシステムはあった。それを改修して、前回のカスタマーサービス部のキャンペーンでは、対象のキャンペーン店舗のみを判別するシステムを作ったさ。しかし、それでも請求元は5社だ。今回の公共料金では、電力会社だけでも全国で何社あると思ってるんだ、さらにプロバイダーや動画配信サービスまで加えるなんて狂ってる。さらにリリースには3カ月を要すると言っているのに1カ月で仕上げろと無茶な事を言ってきやがる。」

「できるのか?」心配そうに渡真利は言った。

「できないことはない、しかし通常はテストリリースと言って、実際の請求データを使って、2カ月ほど回して適切に付与されるかを確認する期間がある。そこでバグが見つかれば修正してから本番リリースができる。しかし今回は、テストする時間がない、せいぜいダミーデータをいくつか流した上でぶっちゃけ本番だ。もし本番で誤った処理が見つかってもキャンペーン期間中に、修正してリリースするなんてとてもできない。一度走り出したらもう止まらない暴走列車だ。どうにもできなくなるんだよ。まぁ、とりあえず今日は徹夜だ。」

そういうと暗い顔で近藤は去って行った。

 

近藤が去り、半沢が嫌な予感がしながらも席に戻ると、岸川部長が戻ってくるのが見えた。半沢は「リーガルチェックの件ですが、来週の水曜日に顧問弁護士の先生が来るので相談しようと思います。」と伝えた。しかし岸川はめんどくさそうに言った「そんなのはいいからすぐに告知の準備をはじめろ!もしリーガルチェックでNGだとしても大和田社長に「できませんでした!」なんて言えるのか!とにかくヤルしかないんだ!最速で進めるんだ!システム部門にも言っておいたからな!」それだけ言うと岸川部長は席を立っていった。

 

5月の定例会

キャンペーン未達、訴訟トラブル問題、ろくでもない報告しか上がってこない5月の定例会議の中、「支社長、良いご報告です!」と岸川は満面の笑みで報告した。「キャンペーンにより、目標会員数を200%上回る状況です。過去のキャンペーンと比べても例がない申込み数です!」

苦虫をかみつぶした顔で、カスタマーサービス部門の浅野部長はつぶやいた。「そのせいで新たに15人の採用を増やさなきゃいけない。最近はゴールド会員の質も低下してきているとオペレータからも苦情が増えているのに暢気なものだ。」

しかし数値が命のこの会社ではただの負け惜しみだ。勝ち誇った岸川の顔を見上げるしかなかった。

 

予感

「おい、最近お前のとこのキャンペーンで変な問い合わせが増えているぞ。」定例会議後、帰宅の準備をしていると半沢は渡真利に話しかけられた。

渡真利は困った顔で言った。「ケータイ乞食と言われる連中が次々に申し込みをしているのは知っているか?掲示板やツイッターで話題になっているらしい」

。半沢は実際に使っている消費者から直接話を聞く機会は少ない。一方で、渡真利が所属するカスタマーサービス部門はオペレータから最新の申し込み状況などの報告や相談が寄せられる。その中で最近は「携帯電話を複数持っている場合は対象になるのか」「複数のプロバイダ契約は対象になるのか?」という相談が増えているという。

「サンキュー明日にでも調べてみるよ」半沢はそう言うと家路に向かった。

半沢花

「ただいま〜」家に帰るなり妻の「花」が迎えてくれた。

「おそいよ~、何時だと思ってるの~、せっかく銀行からクレジットカード会社に出向になったんだから少しは早く帰ってきてよ~。」ほっぺたを膨らましながら言う。

すると何かを思い出したように突然ぱっと明るい顔で言った「ねぇねぇ、聞いてよ~。「ハピタス」って知ってる~?すごいんだよ!いつも使ってるネットショッピングなんだけど、ハピタスから行くだけで1%ポイントがもらえるんだよ!絶対登録した方がいいよ。しかも10月31日までなら、登録するだけで1000POINTもらえるんだよ!マイルにすると900マイルだよ!」相槌も打てない速さでまくし立てられていると、玄関から「ピンポーン」とチャイムが鳴った。

花が印鑑を持って行き、半沢に束の間、嵐が過ぎ去った時間が訪れた。

「やれやれ」と言いながらテーブルに腰を落ち着け瓶ビールを持って来ると、

「じゃーん」花が荷物を持ってきた。

「ねぇねぇ、これなんだと思う?。ほら!石垣産ユーグレナ×ゴーヤーのドリンクだよ、しかもね、これね、ポイントバックがあってね、ナント購入した分全額がポイントでバックされるんだよ!」

嬉しそうな花に向かって半沢は言った。「おいおい15本も頼んだのかよ、それにしても、よくこんなもん見つけてくるな」

花は言った「何いってんの10セットだから150本だよ。でも、すごいでしょ、これ、み〜んな陸マイラーのブログで見つけたんだよ、見てみてこのページ。」

花が見せてくれたページを見て半沢は固まった。「SFC修行」「ハピタス」などと並んで見慣れた文字があったのだ。

 

「東京クレジット社ゴールド祭り!ゴールドカードの公共料金キャンペーンで無限ポイントゲット!」

 

f:id:mairu-de-hawaii:20160418221647p:plain

続く(かも知れない)

 

 

 

おまけ

本文中に登場したオトクなハピタス

↓こちらから登録できます!

 日々の生活にhappyをプラスする|ハピタス